鎌倉殿の13人の普通のおじさんたち

 現在NHKで放送中の大河ドラマ鎌倉殿の13人』の印象は、「普通のおじさんたちの話」です。学校が嫌いで勉強が嫌いな私は、日本史も嫌いです。日本史の知識が無い私にとって、大河ドラマは縁のない存在でした。大河ドラマをちゃんと観るのは、『新選組!』、真田丸』、『麒麟がくる』に次いで4作品目です。三谷幸喜脚本なのが、観る理由です。

 『麒麟がくる』は、三谷幸喜脚本ではありませんが、明智光秀が織田信長を討つに至る経緯をどう描くかが気になって、観ていました。ヒーローではない人を主人公にする難しさを感じました。斎藤道三と織田信長という、天下統一を狙う野望とエネルギーを持ったヒーロー、特出した存在です。ヒーローの行動には、理由付けが必要ありません。彼らが天下を狙い、戦を重ねるのは、自然な行動に思えます。そうではない明智光秀が信長を討つという行動に、ふさわしい理由付けがあったとは、思えませんでした。

 大河ドラマは、ヒーローに頼ってきたように思います。織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、武田信玄、源義経。三谷作品も、近藤勇と土方歳三、真田昌幸と真田信繁(幸村)でした。彼らは、普通のおじさんではありません。

 現在、13話まで進んだ『鎌倉殿の13人』は、ヒーローが不在に見えます。平家打倒の願望の強い源義経と源行家は、厄介な人として描かれていると感じています。京都に攻め上がって平家を打倒する勢いのない、坂東武者たち。その姿は、普通のおじさんたちが普通の事をしているように見えます。

 最近の日本のドラマや映画には少ない、普通のおじさんたちの話。天才か、ヒーローか、ステレオタイプか、奇天烈か、言葉遣いがぞんざいか、そんな登場人物に頼る作品が多い気がします。それは、脚本家の腕の無さだと、評価しています。話を転がす能力の無さを、登場人物に押し付けているように感じます。そんな登場人物が不快で耐えられない私にとって、鎌倉殿の13人は久しぶりに面白いドラマとなっています。

 

2022年4月6日