日々猫だらけ ときどき小鳥

 あさのますみ著『日々猫だらけ ときどき小鳥』(ポプラ社、2020年)は、声優の浅野真澄さんが、自身のペットである猫と小鳥について書いたエッセイです。浅野さんは、猫と小鳥の喜怒哀楽を感じ取っています。猫と小鳥は頭が良く、感情表現もするようです。私は、言語を使わない動物が人間に対して感情を表現するとは、思っていませんでした。

 

 おしっこを怒りの表現に使っていると思われる猫、シマの話は秀逸です。浅野さんと夫の仮説が当たっていれば、シマは明確な意図を持って夫に怒りを伝えています。“おいた”に見える行動を怒るのではなく、行動の理由に怒りがある事を感じ取れる浅野さんと夫は素晴らしいです。怒りに対して怒りで返せば、立場の弱い猫に、一方的に飼い主の都合を押し付けることになります。

 

 私は、シマが夫に対し、コミュニケーションをしようとしている事に驚きました。この怒りの表現は、コミュニケーションだと思います。「シャー」よりも高度な方法で夫に何かを伝え、夫の行動を変えようとしているのだと思います。それは、猫が、人間をコミュニケーションが可能な相手だと思っているからだと思います。

 

 浅野さんは、「おきてー、ごはんー」のアピールに応えなかったことで、猫がコミュニケーションを試みる対象から外されているようです。それを、寂しく感じているようです。夫の行動に答えがある気がします。猫にとって、夫は話が通じる相手。浅野さんは…

​2022年7月25日