​ウォーターワールド

 今さらながら、『ウォーターワールド』(1995年、アメリカ)を観ました。公開当時、酷評されていた記憶がありますが、「言われているほど酷くはない」が、私の感想です。文明崩壊後の不毛の地で細々と暮らす人々が、緑のある楽園の地を目指すという、ありきたりで、既視感のある設定が、評価を落とす理由になっていると思います。

 

 『マッドマックス2』(1981年、オーストラリア)の舞台を砂漠から海にしただけに見えます。一匹狼の流れ者の主人公、住民のコミュニティーを襲撃する悪役も同じ。悪役が暴走族から海賊になっただけです。作り手に対して、「恥ずかしくないのかよ」と、言いたくなります。1億7500万ドルといわれる製作費のわりに、オリジナリティーを感じません。

 

 文明崩壊後の世界なのに、悪役はタバコを吸うし、塩害が強いはずの海上で、水上バイクと水上飛行機は現役バリバリです。文明崩壊から、かなりの時間が経っているように見えるので不自然です。数多くの人が登場しますが、食料を賄えるとは思えません。陸地にたどり着いた人間は4人なので、人類の存続も厳しそうです。作りの雑さが、目につきます。

 

 目新しさはあります。水上バイクや水上スキーを使ったアクションは、素晴らしいと思います。これだけでも、観る価値はありました。撮影は大変そうだし、水上アクションをやりたかったのであろう、作り手の熱意は感じました。作りの雑さを、作り手の熱意で押し切ります。作り手の楽しさが伝わってくる、こういうタイプの映画が、私は好きです。

​2022年8月15日