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​限界ニュータウン

 吉川祐介著『限界ニュータウン 荒廃する超郊外の分譲地』(2022年、太郎次郎社エディタス)を読みました。正直な感想は、「著者のYouTubeチャンネルの方が面白い」です。1軒も家が建っていない分譲地のインパクトが強すぎて、考察なんてどうでもいいのです。

 動画に登場する分譲地は造成途中で放棄されたのではなく、造成が終わって販売されたようです。恐ろしいことに、所有者がいるのです。土地を買った人は家を建てず、30年が経っています。著者が言うように、「投機目的」で購入したのでしょう。私は、1人も家を建てなかったことに衝撃を受けました。「なんで?」で頭が埋め尽くされ、理由や時代背景などは、どうでもよくなってしまったのです。

 

 これまで、社会問題として取り上げられなかったのが不思議です。著者は格安物件の外観を勝手に見学しに行っているうちに、分譲地の空き地の多さに興味を持ったようです。スポットが当たっていなかった部分に注目したことに、感心しています。同時に、「素人がこんな本を書けるのか」という驚きもあります。行動力を見て、只者ではないと思っていましたけどね。

​2022年12月12日

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