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​カラオケ化

 「NHKのど自慢」が、今年の4月にリニューアルされました。鐘奏者を11年間担当した秋山気清さんが降板、4月からは各地のオーケストラ奏者が担当することになりました。司会を10年間担当した小田切千アナウンサーも交代、4月からは廣瀬智美・二宮直輝アナウンサーの隔週担当になりました。最も大きな変化は、バンドの生演奏からカラオケ音源になったことです。

 

 カラオケ音源化を知り、変化を心配していました。4月最初の放送では、特に違いは感じませんでした。しかし、回数を重ねると「リニューアル前よりも面白くなくなった」と思うようになりました。テレビの中の出場者は、以前よりも盛り上がっているように見えます。目で見ると、出場者は楽しそうだし、盛り上がっているように見えます。でも、盛り上がっているように見えるだけであって、盛り上がっているようには感じないのです。

 

 そう思っていたところ、チーフプロデューサーのインタビューがデイリー新潮に載りました。カラオケ音源に変えた理由を語っています。最大の理由は、バンドでの再現ができない打ち込み曲への対応だと理解しました。“70代以上の視聴者への偏りが著しい”のなら、若い視聴者を増やそうとするのも理解できます。YOASOBI、Adoの曲がバンドで再現できないのなら、カラオケ音源に変えたほうがいいのかもしれません。

 

 実は、面白くなくなったと感じる理由がカラオケ音源なのかはわかりません。セットも大きく変わったし、カメラワークも変わったし、出場者の選考基準も変わったように感じます。私が飽きただけなのかもしれません。でも、カラオケ音源化で番組の魅力が高まったとは思いません。バンドの生演奏には、言葉では表せない力があるのだと思います。

​2023年5月15日

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