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最近の​007にうんざり

 ダニエル・クレイグがジェームズ・ボンドを演じるようになった『007』は、私の好みと合いません。期待を裏切り続けられ、最新作の『ノー・タイム・トゥ・ダイ』を観る気にはなれません。今の作り手は、ボンドカーに対する愛もないし、観客を楽しませようとする気も無いのでしょう。

 

 ダニエル・クレイグがボンドを演じる1作目、『カジノ・ロワイヤル』(2006年)は、前評判が高かった記憶があります。ボンドカーのアストンマーティン・DBSが、横転で7回転するギネス記録が売りです。ボンドカーが横転大破してボンドが拉致される姿を、私は観たくありませんでした。517馬力を生かすことも無く、ボンドの運転テクニックを生かすことも無く、DBSは無様な姿をさらします。私は、がっかりしました。

 

 『慰めの報酬』(2008)の冒頭のカーチェイスでは、普通の4ドアセダンのアルファロメオ・159が相手。最大でも260馬力の159を、ボンドが運転する517馬力のDBSは振り切ることができません。ドアがもげたまま無様に戦います。日本での価格は、159が約530万円で、DBSが約3000万円でした。音やカット割りで迫力はありますが、私が観たいボンドカのカーチェイスではありません。

 

 『スカイフォール』(2012)では、女性上司のM(ジュディ・デンチ)が、敵の一味に撃たれて死亡します。悪役の目的はMへの復讐なので、ボンドが敗北した事になります。敗北するボンドも観たくなかったし、私は、ジュディ・デンチが演じるMが好きだったので、悪役に殺害される形での『007』からの降板も、観たくありませんでした。

 

 『スペクター』(2015)は、極め付き。ボンドがワルサーPPKでヘリコプターを撃墜したり。ボンドが、上司のおじさん(新任のM)の運転するジャガーの助手席に乗って、敵の襲撃を受けて拉致されたり。ボンドカーの特殊装備のスイッチが、自由工作のレベルだったり。もう、コメントのしようがありません。

 

 ダニエル・クレイグが演じるボンドには、MI6から支給される最新型のアストンマーティンのボンドカーとは別に、ショーン・コネリーがボンドを演じた時代のアストンマーティン・DB5も登場します。これが、「古いアストンマーティンも出しときゃ客が喜ぶだろ」との、作り手のあざとさを感じます。私は、そんな事では喜びません。今の作り手が作る007は、私が観たい007ではありません。

2022年5月30日

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