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コロンビア号空中分解事故
スペースシャトル・コロンビア号の空中分解事故の番組を、NHKBSで観ました。直接の原因は別として、事故に至るプロセスは、どこでも起きそうな問題だと思いました。組織内に正しい意見があったのに、責任者が間違った選択をしてしまった、という問題です。
コロンビア号空中分解事故は、2001年2月1日、大気圏に再突入したコロンビア号が空中分解し、乗員7人全員が死亡した事故です。打ち上げの際に、補助燃料タンクから剝離した断熱材がコロンビア号の機体に衝突し、耐熱パネルを損傷させました。そのため、大気圏再突入時の高熱に、機体が耐えられなかったのです。
NASAは、断熱材の衝突を認識していました。断熱材衝突検証チームがつくられ、アメリカ軍に機体の撮影要請をしました。しかし、飛行計画の責任者は機体の撮影を拒否しました。宇宙ステーション建設のスケジュールに遅れが生じるのが理由だとされています。NASAは、1986年のチャレンジャー号爆発事故でも、氷点下での打ち上げを危険視する意見を採用しませんでした。15年しか経っていないのに、同じ失敗を繰り返したことに驚きました。
番組で宇宙飛行士の山崎直子さんは、次に打ち上げ予定だったシャトルでの救出ミッションが、可能だったとしながらも、「ウルトラC級」と評しました。それは、技術的な面と、責任者の決断としての面の、両面にあると思いました。組織内に危険性を認識している人がいたにもかかわらず、責任者がその意見を受け入れず、間違った判断をしたのが、残念でなりません。
2022年7月11日
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