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​発達障害との出会い

 発達障害を知ったのは、10年くらい前だと思います。毎日観ているテレビ番組から突然、飛び出してきました。NHKの夕方の情報番組、『首都圏ネットワーク』だったと思います。「電話の内容が覚えられない」という、私と同じ困り事を持っている人が出演していました。「電話の内容が覚えられない」に、発達障害という診断名があることに、衝撃を受けました。

 

 私は苦手な事が多く、勉強も運動も苦手、漢字が書けず、絵も描けません。なんとなく他人と違うとは思っていましたが、違いの理由は、“劣っているから”だと思っていました。ほとんどの子が初見で出来る逆上がりができないのですから、生まれつき劣った人間なのだと思っていました。診断名があり、同じ困り事を持っている人がいるのは、嬉しかったです。

 

 定型発達の人と違いがあるのを知り、違いを観察したり、考えたりできるようになりました。自分の苦手を、客観的に見ることができるようにもなりました。“劣っている”から、“部分的に苦手がある”に、自分の評価が書き替えられました。苦手を努力で克服しようとするより、苦手をカバーする方法を考えた方が良いのにも、気が付きました。

 

 私を診断した医師が言ったように、「治るわけじゃない」けど、発達障害の診断を受ける意味は大きいです。それまで言葉で表現できなかったことが、表現できるようになりました。「〇〇が苦手」、「〇〇が嫌」、としか表現できなかったことが表現できるようになり、理由も説明できるようになりました。理解してくれるかは相手によりますが、何もないよりはずっとマシです。

 

2022年8月1日

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