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また、戦力外通告

 2023年1月21日放送の『バース・デイ』(TBSテレビ)を観ました。東北楽天ゴールデンイーグルスから戦力外通告を受けた、岩見雅紀選手を取材していました。毎週土曜日の17時から放送されるレギュラー番組の1回なのに、年末特番の『プロ野球戦力外通告』の内容よりも、ずっと良かったのです。同じテレビ局なのに。引退を決意するまでの過程が、美しかったのです。

 

 違いは、“野球しかない感”だと思います。『プロ野球戦力外通告』で取材された選手は趣味のソロキャンプに行っていて、野球以外にも幸せがあるように見えました。打撃投手の打診を断る様子からも、野球しかない感を感じませんでした。岩見選手はチームからのスカウトの打診を喜びます。引退の決断をためらいつつ、スカウトへの転身を決めた姿は、対照的でした。

 

 岩見選手は慶応大学時代に5試合連続ホームランを打ちながら、プロでは4年で1本でした。4年間での1軍試合出場は35試合。1年に143試合なので、ほとんど1軍の試合には出ていません。岩見選手が言うように、不完全燃焼に見えます。12球団合同トライアウトでは4打数ノーヒット。選手としての誘いはなく、通知期間の5日が過ぎます。5日目に来た電話は、楽天からのスカウトの打診でした。​

 

 アマチュア時代に活躍しても、プロでは活躍できない選手がいます。2軍では活躍しても、1軍では活躍できない選手も見てきました。そんな悲哀もつまっていました。独身なのか、妻や子どもが登場して情に訴える演出もありませんでした。辛いんですよね。私から見たら選手として限界でも、家族はそう思っていないから。選手として契約ができない場合、私がダメージを受けます。それがなかったのも、良かった理由だと思います。28歳と若いのもね。

2023年1月23日

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