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歴史が嫌いだけど

 6月11日の放送の『どうする家康』22話は、長篠の戦いが描かれました。武田の軍勢が信長の鉄砲3千丁の前に大敗しました。歴史が嫌いな私は、武田と織田が正面から戦ったと思っていました。最近になって、勝頼が長篠城攻めをしていたのを知りました。長篠城を落とせずに信長と戦うのが予定外だとすれば、勝頼が負けるのは当然に思えます。そこを、どう描くのかを楽しみにしていました。今回は、面白かった。

 

 作り手の解釈は、勝頼の判断ミスのようです。家臣は撤退を進言しますが、勝頼は、信長と家康の首を取るチャンスに賭けました。戦う前に勝敗が決している描き方に、好感を持ちました。織田軍は馬防柵を岐阜から運んでくるなど準備万端。武田軍は山城攻めからの転戦。織田・徳川連合軍3万、武田軍1万5千。教科書には鉄砲で勝敗が決したかのように書いてありますが、武田軍にとって条件が悪すぎるように思えます。

 

 私が歴史嫌いなのは、歴史の授業の影響です。「織田信長」も「長篠の戦い」も、文字が意味を持ちません。私には、意味のない記号のように見えました。違いが分からず、みんな同じに見えるので、覚えられなかったのだと思います。大河ドラマを見るきっかけは、三谷幸喜。『真田丸』(2016)が面白くなければ、歴史が嫌いなままだったと思います。

 

 22話、すごくいい出来でした。ダチョウ倶楽部のネタと、海老すくい以外は。初めて、人が描かれた気がします。『どうする』という題なのに、人の判断が描かれていませんでした。自分だったらどうするかを、考えるだけでも面白いのに。だからこそ、対になる撤退戦の金ヶ崎の退き口を描いて欲しかったです。お得意の回想シーンで、これから割り込んでもいいと思いますけどね。

2023年6月12日

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