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静かに見たい人もいる。はず。

 私は、スポーツ観戦に熱狂を求めていません。埼玉西武ライオンズの試合は年間143試合、シーズン中は基本的に週に6試合あります。毎日熱狂していては身が持ちません。試合は日常の中にあるものであって、特別ではありません。だから、大げさな実況をするスポーツ中継が好きではありません。熱中度の差に、疲れてしまいます。

 

 先日、センターフライになるはずの打球を大げさに実況したアナウンサーがいました。大きい当たりですが、ホームランにはならないはずです。テレビを見ている私は、アウトになると確信しています。野球経験のない私にできるのだから、アナウンサーも打球の判断ができるはずです。それなのに大げさな実況をするアナウンサーが、白々しく見えました。

 

 子供のときに家族で西武球場に行ったことがあります。定位置は相手チーム側の3塁側です。空いていることもありますが、最大のメリットは応援をしなくていいことです。選手の応援歌を歌うほどの熱意はないからです。当時はレプリカユニフォームを着る文化もなく、内野席で応援する相手チームのファンもほとんどいませんでした。今ではマナー違反とされるビジター側での観戦ですが、観客が少なかった時代のおおらかさだった気がします。

 

 最近の野球中継は、副音声で球場音のみを選択できます。でも、それでは間が持ちません。実況と解説は必要です。理想としては、「ホームランになりました」。映像で見ているので、瞬発力のある実況を求めていません。ただ試合を見たいだけで、熱狂したいわけでもなく、興奮したいわけでもありません。熱狂と興奮は、こっちにまかせてほしい。そういう実況は、疲れちゃう。



2023年9月11日



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