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映画『天国と地獄』を見ました。大きな会社の専務の子供が誘拐され身代金を要求されます。すぐに、運転手の子供が間違えられて誘拐されたと判明します。専務は会社の実権を握るために借金をして株を買い占めている最中で、身代金を払うと地位も豪邸も失います。誘拐されたのが自分の子ではないとわかると、警察には通報しないと言っていたのに通報したり。いくらでも払うと言っていたのに払うのを躊躇したり。
印象的なのは、身代金受け渡しのシーンです。犯人は身代金を7cmの厚さの鞄に入れ、特急「こだま」に乗るように指示してきます。151系電車の洗面所の窓が7cmだけ開くこと利用し、身代金の入った鞄を落とすように列車電話で指示してきます。冷房付きの特急電車の窓が開かないと思い込んでいた刑事たちは裏をかかれ、車外に落とした身代金を持ち去られます。
でも、電車の窓がどこも開かないということはないと思うのです。乗務員室の窓は開くはずだし。編成の長い特急は中間にも車掌室があり、窓も開くはず。トイレと洗面所の窓が開く可能性もあるし。ビュッフェや食堂車にも開く窓がありそうです。乗務員の手を借りることになるけれど、手の込んだトリックを使うのだから警察の関与は織り込み済みのはず。身代金を回収したらすぐに子供を開放する犯人が、事件の露見を気にしているとも思えません。
なぜ、頭の切れる刑事たちが開く窓がないと思い込んでしまったのか。ご都合主義的展開に見えてしまいます。非冷房で窓が開くのが当たり前の時代。旧型客車ならデッキのドアを開けたままで走行していた時代。金持ちしか乗ることができない冷房付きの特急との対比に騙されたか。対比を描きたかったか。でも、開く窓が1つもないってことはないでしょ。
2025年4月7日
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