『キャッシュトラック』は、ジェイソン・ステイサム主演の映画です。ジャンルは、ステイサムもの。粗製乱造されているジェイソン・ステイサムのB級アクション映画の1本です。ギャングのボス役のステイサムが、息子を射殺した現金輸送車強盗を探すために現金輸送会社に潜入(就職)します。犯人を見つけ出し復讐を遂げます。途中、ステイサムの乗る現金輸送車を襲ってきた不運な強盗団を小気味よく射殺したりします。

　この映画には、致命的に気に食わないことがあります。それは、女を殺すこと。ステイサムが殺すわけではなく、悪役が殺します。でもね、女を殺しちゃいかんのよ。悪人は何人殺してもいいけど、女を殺しちゃいかん。何の罪もないわけではないけれど、殺されるほど悪いこともしてないし。このせいで、楽しめません。後味の悪い映画になってしまっています。

　ギャングのボスなのに、よきパパという設定もバランスが悪いし。現金輸送車が何回も襲撃されるのも治安が悪すぎる。FBI捜査官役のアンディ・ガルシアは無駄づかい。途中で時間を巻き戻してステイサムの素性と目的が明かされていくのも、まどろっこしい。設定を上手く活かせていないように感じます。でも、元CIAはありきたりすぎるし。元軍人もありきたりすぎるし、敵が元軍人だし。高い戦闘力を持たせる設定が尽きちゃってるよね。

　ステイサムものはステイサムが小気味よく人を殺していくのを楽しむ映画だから、設定の粗さを探すのは野暮。そんなことは、どうだっていい。現代において、民間人が人を殺しまくる設定には無理が生じてしまうのは仕方がない。でもね、女を殺すのはダメなのよ。楽しめないじゃん。楽しくないのよ。女を殺して楽しいのかよ、ガイ・リッチー。

2025年4月28日