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VFXに文句はないんだけど、映画としては気に入らねぇ。ゴジラと戦うことが、戦争に勝てなかった男たちの名誉回復の場になっちゃってる。甘ちゃんになっちまったな、山崎貴監督。
故障と偽って着陸し、特攻しなかった敷島。戦争に行きたかったけど、行けなかった小僧。その他、戦争に負けて世間からの評価も自己評価も下がった男たち。戦争に負けた男たちが、女たちを見返すチャンスを得て奮い立つ物語。ゴジラは、戦争のメタファーではないんですよね。だって、戦争中からゴジラはいるんだから。この映画のゴジラは、戦争に負けた男たちへの天からの贈り物なんですよ。名誉を回復するための。
あの戦争は、そういうふうに使うものではない思うんですよね。特攻しなかった敷島を非難することはできないけれど。だからといって、ゴジラで名誉回復の場を用意するのも違うと思うんですよね。ゴジラは、戦争に負けた男たちの名誉回復のために使うものではないと思うんですよね。彼らが、ゴジラから国を救った英雄になるのは違うと思うんですよね。それで、丸く収まる話じゃないし。それで、ハッピーエンドになる話じゃないし。
私は、彼らを非難することができません。でも、ゴジラから国を救わせて花を持たせるのは、違うと思います。彼らに、国を救った英雄という上書きが必要なのか? 敗戦に、ゴジラには勝ったという上書きが必要なのか? それで、敗戦の何かが変わるのというのか? 戦争に、次はないと思います。戦争で死んだ人間に、次はないと思います。過去を改変するのとは違って、死んだ人間は生き返りません。ゴジラに勝っても、弟は生き返らないぞ。
※"弟"とは、『リターナー』(2002年)のミリの弟のことを指しています。
2026年6月8日
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