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“普通”を装う

 NHKの『ハートネットTV』を見ました。内容は、「社会的カモフラージュ “普通”を装う大人たち」。1月に放送された番組の再放送ですが、私は初見です。私にも重なるものがあります。社会的カモフラージュとは、発達障害を隠す目的の行動だと思っていましたが、違うようです。日常が、社会的カモフラージュだらけです。

https://www.web.nhk/tv/an/hntv/pl/series-tep-J89PNQQ4QW/ep/QMXW1L6KW3

 

 歌手である秦さんは、マネージャーとの打ち合わせで普通を装います。そうするしか、ないんですよね。他人と話すには、普通の人の作法を守る必要があります。作法を知らないので、相手の動きを見様見真似で真似ることになります。前の人の、ご焼香を真似るみたいな感じです。笑いが起きるのは恐怖の場面ですね。笑いの要素には気がつかなかったけど、みんなが笑ったから笑う、みたいな。立ちすぐり、みたいなものです。親しい人で私の特性を知ってくれていても、普通を装わないと会話ができません。常に脳がフル回転。自動でフル回転していて、コントロールできません。

 

 レンタルスタジオの受付のシーンも重なります。初めての場所は、手順がわからないので怖いです。まず、受付の場所がわかりません。そんなの、店に入ってみれば目視できるのだけど、右か左かが大問題。判断に時間が必要だし、スムーズにできる自信がありません。流れを止めるのが恐怖だし。先客がいた場合には、どの位置に並ぶのかも大問題。「こいつ、なにやってんだ?」と思わるのが恐怖。あと、手続きの手順がわからないのが、恐怖。話す順番、名前とか、予約の有無とか。「変な奴だな」と思われるのが恐怖。どうしても、ギクシャクしてしまいます。あと、この店の水の位置は罠。

 

 初めて会うの人の話を聞き取るのは、すごく難しいです。発話のタイミングとか、息継ぎのタイミングとか、声の強さとか、語尾の使い方とか。何が影響しているのかは不明ですが、聞き取りが難しいです。特に、最初の1文字目を聞き取るのが難しい。店員の不意のタイミングでの発言は、聞き取れません。発言を予告してから発言してほしい。ポイントカードとか、レジ袋とか、定型文なら、なんとかなります。もうね、大変。疲れちゃう。

 

 私は、相手の記憶に残らない人間になりたい。100人の中の1人になりたい。目立ちたくない。普通だと思われたい。変わっていると思われたくない。でも、「“普通”を装う」というのは、「普通だと思われたい」とは違います。礼儀作法とも違います。普通を装わないと、会話ができません。通信規格を合わせるようなものです。装う必要がなくなる日は来ないし。楽になる日も来ないでしょう。カモフラージュし続けるしか、ありません。

 

 

2026年7月21日

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